読書会の様子 2016年

12月17日(土)

『羊と鋼の森』宮下奈都

参加者12名、見学者1名

 

・ピアノの蓋を開けると羊と鋼の森。調律師の仕事を楽しく読ませていただきました。

・調律師の仕事について知ることができましたが、ストーリーは平坦で、面白さに欠けていたように感じ、物足りない気持ちが残りました。

・ピアノ調律の世界を知ることができてよかった。

・参加者からいろいろな感想が聞けて良かった。

・手厳しい感想もあり、なるほどなぁと思いました。人の感想を聞くと、自分と人との違いに意識が向くので面白いです。私はこのお話、わりと好きです。

・音楽を題材にした小説の中でも、純粋で心地良かった。

・いろいろな意見ありがとうございました。もっと勉強しなければと思いました。

・教育的な内容で、若い人が読むと面白く読めるのではないかと思いました。

・自分とは違う皆さんの意見がたくさん聞けて楽しかったです。

・皆様の感想を聞いて参考になりました。楽しい時間でした。

・あまり静かに展開する筋ゆえ、面白くなかった。山がない故、変化に乏しい作品である。

・才能のある人には「頑張れ」と、才能がないことに気づいてしまった人にも「それでもできることはある、頑張れ」とエールを送る小説。若い人の自らへの頼りなさを優しく受け止め後押ししてくれるところが人気のゆえんか。

 

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11月19日(土)

『コンビニ人間』村田沙耶香

参加者13名

 

・選考委員が高い評価を下していることに少し驚きました。機会があったらこの作家の他の作品を読んでみようと思います。

・話題になっていたので期待しましたが、主人公に対するあまりにも過激なバッシングに心地悪い気分になりました。面白いという人たちに賛同できませんでした。

・今日の題材「コンビニ人間」皆さんの色々な意見が聞けてとても参考になり楽しかったです。

・いろいろな意見、面白く聞きました。

・珍しい職場体験をした感じです。面白く読みました。

・この小説がなぜ面白いと言われるのか、結局ナットクいく説明は得られなかった。

・たくさんの読後感を聞かせていただき参考になりました。

・現代の一面を描き出していると思うけれど、風俗描写につきているように思う。

・コンビニ人間の続編に期待したい。

・いろいろな感じ方をするものだと思った。

・コンビニができて何年になるのか。コンビニ人間ができてしまった!!どうなるのか。

・久しぶりに熱中できました。

・ムラ社会で役に立たない人間ははじき出される‥‥その通りで、むしろ健全だと思いました。

 

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10月15日(土)

『金子光春詩集』金子光春

参加者9名

 

・難しい詩と易しい詩があって、統一した感想を述べることができない。言いたいことを言っている詩人だ。

・今回初めて読んだが、詩人としては素晴らしい。また読み直してみるつもり。

・イメージをことばにする力が真の詩人のものであると感じました。

・全体がよくつかめないまま終わった。

・昭和の詩人の中ではトップなのかもしれない。

・受け入れがたい感じがする。難しい言葉が多すぎる。

・教科書で読んで疑問に思っていたことが解決できてよかった。

・面白い話が聞けました。

・これを機に、詩というものに改めて関心を寄せようと思います。

 

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9月17日(土)

『リセット』北村薫

参加者8名

 

・戦中・戦後の出来事を折り込んだ、事件簿のような作品と見た。

・作者は結構良い話を書いてくれたと思います。

・思いを届ける。思いを受け取る。そして忘れない。素敵な物語でした。

・生まれ変わりのお話はとても興味深く、登場人物もとても魅力的でした。

・リセット…ときの流れを感じました。私も未来にリセットしてゆくのでしょうか。

・先の戦争について少し話題になったように思いますが、そんなことについてもっといろいろ話し合え

 るとよいと思います。

・戦時の描写が生き生きしていて魅力的だと思いました。ストーリーはいまいちでした。

・女性の方々と読後感がずいぶん違うものだと思いました。

・久しぶりに参加しました。有意義でした。

 

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8月20日(土)

『クロイツェル・ソナタ』レフ・トルストイ

参加者8名、見学者2名

 

・家庭生活、夫婦のあり方、社会制度。本来なら一番身近な問題に、共感したり驚いたりしました。でも難しい話題になりました。

・現代社会の男女関係や結婚問題、性欲問題と、あらためて考え直すチャンスになりました。

・あとがきの中でのトルストイの断定的な主張に、西洋文化の持つ理念の力というものを感じました。

・男女間の愛の問題で(!)、妻を殺すことは…疑問。

・トルストイがなぜ「クロイツェル・ソナタ」のような作品を書いたのかよく分かりません。

・作者の主張、主人公の行動や心理描写等、良く分からないままです。

・私の「クロイツェル・ソナタ」に対する感想とは違って、深い意味のこもった作品であると思った。

・上流階級とは言え、主婦がベートーヴェンの「クロイツェル・ソナタ」のピアノを弾きこなすという物語の設定がすごい。また、それだからこそ、夫の嫉妬が燃え上がるということだろう。

・皆さんの見解がいろいろあって面白かったです。内容が深められました。表面的な解釈に終わらないで、こういう読書会は良いと思いました。

・読書会は初めてだったので、このように行われるのだな、と思いました。課題図書を読まずに参加したため、話し合いへの理解が深まらずザンネンでした。

 

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7月16日(土)

『方法序説』デカルト

参加者7名

 

・デカルトは数学者の考え方をする人だなあ、と思いました。

・時代背景を考えると、デカルトが世界論について口ごもるのも無理ないかと思います。

・難しい議論で分かりにくかった。

・デカルト、むずかしくて理解できなかった。

・なかなか内容に入っていけない。テキストとして1・2時間でやるべきことではない。

・「方法序説」についての議論が少なかったように思いました。

・分からない人は、分からないということが分からない。

 

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6月18日(土)

『ハッピー・リタイアメント』浅田次郎

参加者8名

 

・大衆小説らしく説明が場面場面で行き届いていて読みやすかった。自衛隊の内部や天下りの組織などが何となく分かったように感じた。

・天下りの実態がよく分かる。

・悪だくみはあるものの根っからの悪人はいないという構造で面白い小説でした。「金尾為太郎』なんて感心します。

・浅田次郎の作品は初めてでしたが、とても面白く、また勉強になりました。「天下り」には縁がありませんが、ハッピー・リタイアメントな余生にしたいと思います。

・世の中いろいろな人生の方あり、理解してくれる友あり、やはり健康と働くところがあるのが幸せかな。

・面白い小説を書こうとした努力は大したものだと感心。しかしこれを面白いと本当に思う読者がどのくらいいるのか?と考えてしまう。小説がマンガを見るように場面場面のおかしさだけで最後まで持っていったような気がしてしかたない。

・浅田次郎の新作が待ち遠しいです。

・読みやすく面白い小説でした。ただ3人が最後に大金をつかみ損ねるところは、道徳くさくてつまらないと思いました。どうせならパーッと派手に終わってほしかったな。

 

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5月21日(土)

『鳥打ちも夜更けには』金子薫

参加者10名

 

・とても不思議な小説。

・鳥打ちの仕事をする3人がそれぞれの価値観で生きていく。自分の中にあるもう一人の自分を感じました。

・鳥打ちも夜更けには楽園を作ってしまった。

・自由気ままの花畑、でも処刑されてしまった。

・何とも理解に苦しむ作品。童話のようでありながらそうでない。書きたいことを勝手に書いているという感じである。

・鳥打ち、職業として最低である。自然破壊につながる。

・久しぶりに想像の世界で楽しめました。大変評価の難しい作品と感じました。若い作者なのでこれから良い作品を多く生み出し、活躍してくれることを期待します。

・難しい作品でした。理解できませんでした。

・奇抜さも受け入れて、楽しく読めました。いろいろ考えさせられるところがありました。

・自らの仕事に悩む鳥打ちが権力の目を盗んで孤独な戦いを挑み、敗れる。こんな重たい話を軽いノリで楽しめる金子薫ワールドはすごいな、と思いました。

・多様な意見にびっくりしました。

 

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4月16日(土)

『こころ』夏目漱石

参加者10名

 

・あまりに有名な「こころ」を初めて全編読むことができました。自分の罪の大きさで、結局死を選ぶしかなかったのは悲しい!

・何度読んでも心に訴えてくるものがあり、「漱石ありがとう」という感じ。

・日本を代表する名作を読みこなすのは至難のわざだとしみじみ思いました。

・若い人の心の動き・心理をつかめる作品。

・漱石を久しぶりに読みました。他の作品ももう一度読み返したい。

・こころ、私の読み方が浅いことに気づきました。

・皆の多彩な意見を聞くことができて楽しかった。

・明治末期には恋は罪悪、簡単に自殺できた時代のように感じた。

・「こころ」は読者に読ませる作品だ。心理的に追い詰められていく先生がエゴイズムによって自殺する。

・読んでいて先生という人間にイライラする。人間は働かないとダメだな、と思った。

 

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3月19日(土)

『横しぐれ』丸谷 才一 

 参加者10名 

 

・談論風発で面白く楽しい会でした。

・父の死によって様々な思いをめぐらせたスリリングな小説。でもむずかしいよ!

・丸谷先生の才気には参ります。勉強のやり過ぎで何かが欠落したのでは?

・文学について色々教えられました。俳人の生活に興味がわきました。

・難しい本というより論文を読んでいるという感じである。論じたいことは多々ある文である。面白かった。

・楽しく読みました。

・著者の大変な学識に驚かされました。

・云いたいことを云いすぎたかな?

・これをきっかけに山頭火の資料を少しかじってみます。

・山頭火に関する考察のボリュームが大きすぎて、終盤の、父に対する思いの部分が伝わりにくくなってしまったように思う。

 

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2月20日(土)

『チェルノブイリの祈り』スベトラーナ・アレクセービッチ

参加者6名

 

・心を揺さぶられ続け…。ある意味、他に類を見ない1冊であった。

・恐ろしい話だ。目に見えない物質によって、生あるものが次から次に死んでゆく。滅んでゆく。この話は現実の話だ。

・辛くて読むのが大変でしたが他人事ではありません。インタビューに答えてくれた被爆者たちのためにも、考えさせられながらしっかりと最後まで読み終えました。

・ルポルタージュが文学であり得るか?書いたものはみんな文学と思えば済むのかしら。ノーベル文学賞とは何だろう。

・この本を読み、原発の恐ろしさがよく理解できた。人間の知恵は悲しいもの!

・「戦争なら知っている。でも放射能とか被曝とか、そんなことは今までだれも知らなかった。読んだことも聞いたこともない。だから自分の身に起きたことを説明する言葉が見つからない」きっとそうなのだろうと思った。人間とは何だろう、という疑問に新しい知見を与えた本だと思う。

 

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1月16日(土)

『スクラップ・アンド・ビルド』羽田圭介

参加者:8名

 

・作者が考えているスクラップ・アンド・ビルドの意味するところが分からないまま終わってしまった。

・現実的な話題=社会問題を取り上げているが、小説としてはどうだろう。

・芥川賞受賞作としては物足りない。現実の社会問題のみで、ローマンもない小説。

・「死にたい」という祖父と健斗の関わり方がオ面白かった。でも全体的には小説というよりフィクションのようでした。

・現代の老人問題をよく見ている作品ですが、芥川賞というからには、もう少し気品が欲しいです。

・あまりにも現実すぎて、小説におけるフィクションがない。面白くない作品と読んだ。

・孫の思惑は空回りしそうだ。祖父は手助けしてもらって長らえるし、孫は体力作りに励むあまり消耗して命を縮めるのではないか?

・本題の内容についての深入りが出来なかったと思う。