読書会の様子 2024年

12月21日(土)

『ふたりの証拠』アゴタ・クリストフ

参加者12名

 

 

・極限の状態では、人はこのようですね。

・文章がブツ切りで淡々としているので人の感情がよみとれず、怖さを感じる。

・登場人物の境遇に悲惨なものが必ずあった。人間には多少なりともそんな部分があるのだと思う。

・現在形の短い文を連ねた表現が新鮮でした。

・マティアスが死ななければならなかったことが悲しすぎました。ヴィクトールが本を書けた状況はあまりにも切ない。

・アゴタ・クリストフの三部作を読み終えるまで、彼女の考え方を理解できないので、第三部も取り上げて下さい。

・文章が短く、また人物の感情描写がほとんど表現されていなかったので、物語に没入できなかった。

・喜怒哀楽がなく、色彩のない物語か?

・さまざまな解釈・視点があり、大いに勉強になりました。

・アゴタ・クリストフの世界をたのしまさせていただきました。

・小説はとてもドキドキしながらよめたけど、3部作をよまないと迷子になりそうな転回。

・「悪童日記」は面白かったが、今回は誰も幸せな人がいなくて悲しい。ヴィクトールの手記には引き込まれた。

  

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11月16日(土)

『おくのほそ道』全昌寺~大垣 松尾芭蕉

参加者14名

 

・『おくのほそ道』最終回10回目。長い間担当者の方々ありがとうございました。この会がなかったら深く読んでいなかったもので。一度追加の旅にも行ってみたいです。

・昔、勉強した(?)芭蕉をあらためて勉強させて頂く機会を頂いて感謝。

・古典を読む際、解説者の解釈に読者は影響される。

・旅の最後の場面は、自分も一緒に旅を終えた気分になり、読み切る機会を与えてもらえてよかった。

・おくのほそ道、おくの深い文学。

・「おくのほそ道」は紀行文ではない。フィクションか?

・旅が終わりました。

・大垣に芭蕉の門弟たちがかけつけ、師匠の踏破を祝っているのがよい。読書会でも長年にわたって「おくのほそ道」をたどってきたのが終了し、めでたい。

・有名な奥の細道を通読できて、とてもよかったです。

・芭蕉さんの西行好きに引かれて、大垣にやっと到着しました。

・「奥の細道」の出版は芭蕉の本心だったのか? これは完成していたのか? 俳句を鑑賞した上で、話題は広がりました。

・おくのほそ道は楽しいか。奥深いのは確かだけど。

・おもしろい時間を過ごすことが出来ました。

  

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10月19日(土)

『おくのほそ道』市振~別離 松尾芭蕉

参加者12名

 

・俳句を吟じる事、味わう事は、心ある(感受性)人間でなければならないのかも? 

    これを機会にぜひ挑戦したい。

・俳句は写生と言っても、多少の誇張・脚色はあるに違いない。

・有名な「奥の細道」を読むことができてうれしかったです。

・文芸の楽しみ方をあらためて考えてみたい。

・芭蕉さんのおくのほそ道、楽しませてもらいました。

・奥の細道はフィクションである。だからダメということではもちろんない。

・自分の俳句のセンスがないのがよくわかりました。なかなか難しかったです。

「奥の細道」の本当の姿が少しわかったような気がしました。

・俳句の解釈はむずかしい。

・芭蕉が物事をよく見てよく感じていることがわかる。

・ひとりひとり、とらえ方が違い、意見をきいていて、とても参考になりました。

・今日の回には、特に好きな句がなかった。

 

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9月21日(土)

『ゼロの焦点』松本清張

参加者12名

 

・男の始めた戦争で多くの被害を受けるのは女と子ども。戦争に大義などない。

・話・筋はおもしろかったけど、作り話っぽいところが多々あるような。

・久しぶりの清張を楽しみました。時代が流れても、このテーマを忘れないようにしています。

・エンタメ作品として読んで、読み終わってからおもしろければ良いのでは、と思いました。

・さすが清張! いまでも読めるね。

・この手の本は一気に読めればそれでいい。

・主人公の禎子は探偵として相当有能。一人で真相を解明していく。

・松本清張の話のつくり方、さすがだなと思います。

・ポーの詩「アナベル・リィ」が佐知子の犯罪をさらに悲しい出来事にしている。面白く読めました。

・以前一度読んだのに、何も覚えていないということがわかった。復讐するために殺すという話なら犯人に同情できるかもしれないが、自分に都合の悪い者を次々に殺すというのでは無理だ。

・日本海をのぞむ崖のシーンは、ひと昔前のサスペンスドラマを思い出しました。とても読みやすい文章でした。

・清張は昭和の東野圭吾だと思った。お金のある専業主婦は自由でいいなあ。本多の恋心と嫂の悲嘆が心に残った。

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8月17日(土)

『アルケミスト 夢を旅した少年』パウロ・コエーリョ

参加者14名

 

・夢の実現には努力が必要である。いわゆる錬金術では実現しない。

・啓発本として読みました。難しい表現にとまどいながら、いくつかの教訓は心にひびきました。最後の財宝は受け入れ難いものでした。

・「お前の心に耳を傾けるのだ。心はすべてを知っている」スピリチュアル的内容。

・1つの本でもいろいろな感想があることにおどろきました。

・メタフィジカル…哲学的な書物については思った以上の解釈があります。これは本来的に内包している宿命だろうか? 作者の心の中に入りたい。

・自己啓発本として読めました。自分の本当にほしいもの、したいことを改めて考えてみようと思いました。

・ゆめを実現するのは人生と同じくきびしいものだ。パウロ・コエーリョの作品をもっとよみたくなった。

・抽象的な表現についていけず面白く読めなかった。なぜ、この本がベストセラーになったのか理解できなかった。

・「夢を追って旅してみたい」なつかしいことばです。

・羊飼いを志して生活をスタートさせ、羊飼いとして努めているところが魅力的だった。

・アルケミスト=アルケ+ミスト アルケミスト=アル+ケミスト

・これから自分の将来を切り開いていこうという世代にはとてもささる本だと思いました。

・わたしには自己啓発的な側面ばかりに目がいって物語にうまく入りこめませんでした。

・錬金術師が鉛を金に変えたシーンに感動した。生きる勇気がわいた。

 

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 7月20日(土)

『沈黙』遠藤周作

参加者12名

 

・「沈黙」。少し重い作品だけど、読ませてしまう作品。

 ・ドラマチックな小説だと思った。神は常に人間に寄り添っていることが分かった。

・神は沈黙しているのか? 神はどこに存在するのか?

・人の裏切り、強さと弱さ、「神」とは何か、信仰とは何か、を問いかけている。

・虚弱な周作少年の創作は、自分自身をものりこえている。その気迫にみちている。

・キチジローの卑しい表情が何を表しているのか考えました。

・信徒たちがパライソを信じて、拷問を受け、虐殺されていく姿に絶望感で一杯になりました。

・宗教の恐ろしさがよく分かった読書会でした。

・私には信仰するものがないので、信仰を捨てられず命を捨てる気持ちが、頭でわかっても理解できない。

・キリスト教における愛とは、全人類に対する愛ではない。

 ・創作であるということに気を置いて読もう。

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6月15日(土)

『プレイバック』レイモンド・チャンドラー

参加者10名

 

・マーロウが社会を一生懸命生きている姿に感激しました。

・権力も金の力も何もない人は、公明正大に生きることでこそ力をもてるという。

・タフでなければ。優しくなければ。公明正大。

・フィリップ・マーロウは嘘をつかない。それが彼の生き方。

・初めてのチャンドラー作品。お金に執着しない探偵マーロウは、筋の通ったカッコよい優しい人物。好感を持ちました。

・話の筋とは直接関係ない人物や会話が出てくる。チャンドラーの独特の雰囲気のある作品。

・ハードボイルド小説の世界を少しは知ることが出来たが、自分にピッタリとフィットしてくる小説とは言えなかった。

・フィリップ・マーロウ、このplay backの中で、あまり、魅力をかんじないナ!

・初めてのチャンドラーで期待して読んだが、面白みは感じられなかった。チャンドラーの他作を読もうと思う。

・ハードボイルドは苦手だ。登場人物が幸せそうに見えない。クラレンドン4世は魅力的なおじいさんだった。

 

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5月18日(土)

『父の戦地』北原亞以子

参加者11名

  

・父からの手紙の絵がとても味があり、娘への愛情を感じた。

・北原亞以子さんと茶飲み話ができました。

・戦時中の東京の様子や生活について、その一端を知ることができた。

・亡くなった父との思い出をふり返るきっかけになりました。

・静かな文章で、私も自分を振り返って文章を書いてみようと思いました。

・北原亞以子さん、大事なことをさりげなく、大げさの反対の表現ができる人。

・父親からの絵ハガキがタイトルのイメージと違い気持ち良く読む事が出来ました。美枝ちゃんへの愛情をうらやましく思いました。

・全体としては山はないものの、それぞれ短いストーリーになっており、なかなか興味深かった。

・父親が幼女を慮って書き綴ったということが知れる。南方の戦地の様子もよくわかった。

・北原亞以子さんのエッセイは、小説と違って読んでいて疲れると思った。彼女は小説に頑張って欲しい。

・絵葉書をもっと大きくカラーで見たかった。

 

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4月20日(土)

『予告された殺人の記録』G・ガルシア=マルケス

参加者10名

 

・夢のような、でも現実感のある小説でした。楽しく読めました。

・登場人物の複雑な人間関係を把握するのが大変でしたが、圧倒的に面白い作品でした。

・作品の構成が優れている。

・殺人が決まっているところから始まっている構成がとても面白かった。

・登場人物の名を姓名省かず何度も記しているので、ルポとしての客観性・冷静さを示すのに役立っていると思う。

・アンヘラがバヤルド宛ての手紙を書き続けているのが素敵である。

 

・バヤルドが2,000通の手紙を持って現れた本心は何だったろうと思います。

・色々な登場人物の証言を集めても、謎の多い小説でした。改めて読み直したいです。

・偶然に偶然が重なったように見えるが、何らかの必然もあったのかもしれない。

・構成・グロテスクな程のリアリティなど、いろいろ気になることが豊富に書かれているが、読み手がコロンビアのことに不案内すぎて理解があまりできなかったかな?

・コロンビアの風土が分からず、小説のテーマも分からず、分からずが多いが読了してしまった小説でした。

・文章がキビキビして小気味よいしストーリーも分かりやすいが、どの人物にも感情移入できなかった。夢の中の話のようだった。

 

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3月16日(土)

『津軽』太宰治

参加者9名

 

・郷里の土地に住む人々との心の触れ合い、郷土愛、友人愛、優しさ、ユーモアが素晴らしい。

・戦時中とは思えない人々の愛に満ちたあたたかい作品でした。

・太宰治の真骨頂が発揮された作品だと思いました。

・「斜陽」や「人間失格」と違って淡々と書かれていて、一回目に読んだ時は面白さがわからなくて、二回目に読んで読み方を変えて楽しめました。

・太宰の名著「津軽」。彼の人格が一部うかがわれます。

・たけが素っ気なかったわけが語られたとき、グッときました。それなのにその4年後に自殺するなんて人間失格です。

・太宰治の他の作品とは異なり、あまり嫌味を感じない作品だった。

・太宰自身の言葉で書かれた文をもっと読みたかった。

・退屈で眠くなってしまった。太宰の父が実家と同じ間取りで家を建てた話と、ピクニックの話が印象に残った。

・作家は嘘つきでなくてはなれないみたいだけれど、「津軽」の中身はどこまで本当?

 

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2月17日(土)

『もの食う人びと』辺見庸

参加者10名

 

・出だしから食欲の失せる内容がショックだったが、世界各地の食と人とを描いていて、いろいろなことを知ることができた。

・ショッキングなルポルタージュでした。ニュースでは知り得ない現地の人たちの苦しみ、悲しみ。心を痛めました。

・どの話も興味あるものでした。

・知らなかった世界のさまざまな食について知ることができた。

・コーヒーの実から調理加工したコーヒーを、一度飲んでみたいと思いました。

・辺見庸という人の行動力を尊敬する。

・各々の着眼点が違うことが面白かった。

・いろいろな意味で面白い内容だと思っていたのに、お金をかけた取材の結果だなんて言われると、気持ちがしぼんだ。

・比喩が上手すぎ。意地が悪い書きぶりが上手。作者が出会った人々は今ごろ何をしているのだろう、と思った。

・旅行記としては、いま一つ。ルポルタージュとしては、ちょっと。

 

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1月20日(土)

『チーズはどこへ消えた?』スペンサー・ジョンソン

参加者9名

 

 ・大きい変化はできそうにないけれど、小さな変化はおそれず取り入れていきたい。

・久しぶりに再読しました。納得しました。

・皆さんの読後感はどれも興味深いものでした。ありがとうございました。

・変化を取るとき選択を誤らないことが大事だ。

・私は変化を楽しいと思うので、変化を恐れるヘムの言動が興味深かった。

・人生にほんとうに大切なことは人から教えられなくても自分で体得すべきだ。たとえそれが失敗したとしても。

・変化をする事のこわさを自分自身で本当に考えられない時代なのか?なぜこの本がベストセラーになったのかずっと考えている。

 ・オンラインサロンを開催しているビジネスパーソンが語っていそうな内容だった。

・童話が教育的に感じられたら読まぬが勝ち。

・チーズはどこへ消えた?は読むな。私よりの忠告。